濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
世界最大・最高のMMA大会が来日。
“UFC”で日本格闘技界が激変する!?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byGetty Images
posted2012/02/23 10:30
今回、ライト級4度目となる防衛戦に挑む王者フランク・エドガー。レスリングを基礎に、ブラジリアン柔術を習得。そのファイトスタイルは判定での勝利も多いが、前戦UFC136ではグレイ・メイナードに対してTKOを収めるなど、無類の粘り強さを誇る
2月26日、さいたまスーパーアリーナで開催される『UFC144』は、日本における今年最大の格闘技イベントだと言っていいだろう。
言うまでもなく、UFCは現在、世界最大にして最高峰のMMA(総合格闘技)イベントだ。ラスベガスを中心に開催される大会は常に超満員。近年はカナダ、ヨーロッパ、オーストラリアなど世界各国に進出している。
ビジネスの規模が大きくなれば、そこに強豪選手が集結するのは当然のこと。UFCのチャンピオンになることで、選手はその階級における世界一だという評価を得ることができる。
日本では2000年以来の開催となるUFCだが、オーナーのロレンゾ・フェティータ氏は「再上陸ではなく、あくまでズッファ社のUFCが初上陸するんだと思ってほしい」と語っている。
ズッファ社とは、現在UFCを運営する企業。2001年にUFCを買収し、アスレチック・コミッションの認可やテレビ戦略などでUFCをメジャースポーツに押し上げた。以前はPRIDEがあったため“数あるイベントの一つ”というイメージも強く、大きなインパクトは残せなかったUFC日本大会だが、今回は“世界一のメジャー格闘技イベントとなったUFCが初めて日本にやってくる”というわけだ。
タイトルマッチは世界中で放映される注目の大一番!
実際、この日本大会は“地方興行”ではなく、アメリカでもPPV放送されるビッグイベント。メインではフランク・エドガーvs.ベンソン・ヘンダーソンのライト級タイトルマッチが行なわれる。
エドガーは一昨年、UFC2階級制覇の名王者B.J.ペンからタイトルを奪取。リマッチも制すと、昨年は無敗の挑戦者グレイ・メイナードとの2度にわたる死闘もクリアしている。
1戦目はドロー。1ラウンドにKO寸前に追い込まれながら見事なリカバリーを見せた。
2戦目も序盤にダウンを喫しながらすぐに反撃を開始、ついには逆転KOを呼び込んだ。
信じられないタフさと冷静さ、どれだけダメージがあっても止まることがないフットワークは、まさに“世界最高峰”である。
対するヘンダーソンは元WEC(UFC傘下の団体で、現在は吸収合併)の王者。エドガー同様に鋭い打撃とレスリングが持ち味で、UFC移籍後3連勝でタイトル挑戦権を獲得した勢いのあるファイターだ。