ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#2> MF・扇原貴宏 「シャビのような完璧な技術を」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2011/11/21 10:31
清武弘嗣、原口元気、山村和也が欠けたチームにあって「五輪代表は誰が出ても絶対に結果を残さないといけない場だから」とチームを奮い立たせる熱いコメントをした扇原
アウェーでは簡単にプレーできないことは分かっている。
――最終予選の次戦も中東のバーレーンが相手。自分なりにアウェーでの戦い方について考えていることは?
「クウェート戦やACLで現代と戦ったときに思ったんですけど、ホームでやっていることが普通にできると思って試合に入らないほうがいいですね。A代表の選手もアウェーは難しいと言っているように、簡単にはプレーできない。環境や気候の問題もあるけど、アウェーの雰囲気に呑まれたり、相手が勢いよく前に出てくることに驚いたり、自分たちのサッカーがなかなかできないことに慌てたりしないこと。ホームでやるよりも自分たちのプレーができる時間はどうしても短くなるけど、しっかり守備をしながら我慢して、自分たちのリズムを取り戻していくことが大事かなと思います」
――今回は攻撃の中心選手である清武や原口がいない。特に、攻撃の中枢を担っていた清武の不在は大きいのでは?
「たしかにキヨ君の存在は大きいです。マレーシア戦のときも声を出してチームを引っ張っていってくれたし、プレーでもキヨ君がいるとボールが動くので、攻撃の流れがすごくスムーズになる。でも逆に言うと、そういう選手が抜けたことで、他の選手にチャンスが出てくる。もともと前の選手はタレント揃いなので、力的には問題ないと思うし、キヨ君たちが抜けてチーム力が極端に落ちるようじゃだめだと思う。キヨ君たちがいないからこそ、今回は勝ち点3を絶対に取りたいし、取らないとロンドンに行けないので」
「五輪で活躍すれば、自分の名前も世界に広まる」
――そのロンドン五輪は、自分自身にとってどういう位置づけなのか?
「僕はU-20W杯に行けなかったので、五輪という世界大会にはどうしても出たい。世代別の代表もこれで最後だし、世界と真剣勝負できる五輪に出れば、自分も絶対に成長できると思うんです。それに五輪で活躍すれば、自分の名前も世界に広まるだろうし、海外のスカウトの目にも止まるかもしれない。活躍できればプラスなことばっかりだと思うので、絶対に出ないといけない大会ですね。そのためにもバーレーン戦とシリア戦の2試合でしっかり勝ち点6を取って、早くロンドン行きを決めたいです」