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フィギュアスケートGPシリーズ開幕へ。
高橋、小塚、浅田たちの最新状況は?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2011/10/09 08:01
10月2日に行われた日本人選手たちの記者会見。浅田真央(前列右)は3年ぶりのGPファイナル進出を狙う。浅田にとっての初戦となるNHK杯は11月11日からスタート
安藤不在の女子はロシアの若手が新潮流を生みだす。
一方の女子は、海外、とくにロシアから若い選手が台頭しつつある。
14歳のエリザベータ・トゥクタミシェワは、先日のジャパンオープンに出場。3回転連続ジャンプを2つ取り入れたプログラムを見せ、才能の片鱗を示した。さらに昨シーズンの世界ジュニア選手権、ジュニアグランプリファイナルを制し、逸材と言われる15歳のアデリナ・ソトニコワがいる。新しい潮流の生まれる気配があるのが、今シーズンである。
それに対する日本勢は、世界選手権金メダルの安藤美姫が今シーズンの休養を発表。グランプリシリーズは、浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子、今井遥が2戦ずつエントリーした。
成熟をめざす浅田真央は「まずはよいスタートを切る」。
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浅田は、フリーで昨シーズンに続きリストの「愛の夢」を使用する。構成面の手直しはあるようだが、同じ曲を2シーズン続けて用いるケースは珍しい。
そこには、昨シーズン、プログラムを不完全に終わらせてしまったという後悔がある。佐藤信夫コーチの指導となって2年目、腰を据えてプログラムを熟成させる中に、スケーティング、ジャンプなどでその成果を示すことが、浅田自身のステップアップとなり、次へとつながっていくことになる。
「ここ何年か、グランプリシリーズでよいスタートを切ることができていないので、まずはよいスタートを切ることを目標としています」
と、浅田は言う。
そして、鈴木明子は「原点に戻って」と抱負を語り、村上佳菜子はジャンプの向上に力を注いでいるそうだ。
男女ともに、ソチ五輪を見越してのチャレンジの年となる今シーズン。成績に一喜一憂せず、振り回されずに、テーマをクリアすることに集中し、スケーターとしてベースを引き上げていくことができるか。
その行方に注目したい。