引いた相手に効果的な、中村の強烈なミドルシュート。

　そうは言ってもタジキスタンがベタ引きで守備を固め、カウンターを狙ってくるのは十分に予想される。日本としてはミドルレンジからのシュートが必要になってくるだろう。ならば、強烈なミドルシュートを武器に持っている中村のポテンシャルがより一層、活きてくる舞台でもある。

　中村には今年に入って一度も代表の試合に出場していないという不安要素もある。ただ、経験は豊富であるし、岡田ジャパンで一緒にプレーした選手が多く、本番のタジキスタン戦の前にベトナム戦で試運転できることも大きい。コンディションさえ良ければ、チームにフィットする可能性を秘めている。

　指揮官は会見の最後、中村への期待を口にしている。

「コンディションが良くなってきたと認識している。中村には彼の持っているプロ意識、そしてクオリティーの高いプレーを存分に発揮してもらいたい」

　中村憲剛が本田のピースを埋める救世主となるのか、さて如何に――。