私とDo 特別編BACK NUMBER
「Number Do駅伝」を走ったら……。 ~作家と編集者の「ゆるラン」仲間がアスリートの聖地に挑む~
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/09/29 06:00
「Number」からも、直木賞作家・奥田英朗さんや編集者仲間と共に編集部員が参戦。「陸上の日本選手権のような雰囲気」(編集部A)にひるみながらも、「無理は禁物」をスローガンに走りだした彼らを待ち受けていたのは――。
「アスリートの聖地、国立競技場のトラックを走ることが出来るんですよ」
この文句で、チーム「マメと筋肉痛」の面々を「Number Do駅伝」に誘ったのは5月のことだった。
作家の奥田英朗さんをリーダーとする「マメと筋肉痛」は、「ピクニックランナー」(奥田さん)の集団である。地方のハーフマラソンに遠征し、でも決して無理をせず、温泉と旨い飯、お酒と「ゆるラン」を楽しむ、いわゆる「旅ラン」仲間だ。
メンバーの編集者から、
「駅伝は、短距離を全力で走るからしんどいんじゃないか?」
「短距離勝負なら、若い人たちに勝ち目はないんじゃないか?」
という声が上がった。
そんなとき、奥田さんからこんな提案が。
「チーム合計4人の年齢が、140歳以上という部門を作れば、面白いんじゃないの?」
若手女子社員と、ビール腹の部長さんが一緒に駅伝に出るなんて、なかなかいい光景ではないだろうか。
早速「Number Do駅伝」の担当者に話すと、その企画が採用され、「男性の部」「女性の部」「男女混合の部」の3つだったカテゴリーに、「合計140歳以上の部」が新設されることになったのだ。
競争や個人記録とはまるで無縁のピクニックランナーである我々も、企画の発案者として参加しないわけにいかない。「合計140歳以上の部」での入賞を目指して、計3チーム、合計12人の大選手団を、国立競技場に派遣することになった。
国立競技場はまるで陸上の日本選手権のような雰囲気に。
9月11日午後2時。国立競技場に集っていたのは、明らかに練習を積んでいる本気のランナーだった。
ピクニックランナーたちの顔が曇る。おまけに気温は30度を越え、うだるような暑さだ。スタイリッシュなウェアに身を包んだ本気ランナーを横目に、「無理は禁物」というチームのスローガンを改めて確認しあう。
受付で確認すると、全体の参加チームは400組1600人を超えているとのこと。国立競技場の雰囲気も、まるで陸上の日本選手権のようだ。