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中邑真輔悲願の夏制覇で
匂い高まる“危険な関係”。
~9・19、棚橋弘至と再激突へ~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/12 06:00
棚橋に勝って優勝決定戦に進んできた内藤を破り、9年分の思いを込めた雄叫びをあげる
ファンは、本格派のプロレスに飢えていた。特別な年の、特別な優勝だった。
8月14日、両国国技館で行なわれた新日本の“真夏の祭典”G1クライマックス最終戦。新世代の旗手、中邑真輔が2歳下の後輩、内藤哲也を20分19秒、必殺技ボマイェで沈め、悲願の初優勝を飾った。8度目の出場でようやく夏を制した中邑は、「この9年、近道も寄り道もすべてしたつもり!」と、歓喜のビクトリーフラッグを振りかざした。
福岡国際センターで幕を開けた今年のG1は、史上最多の20選手が出場し、全10試合で争われた。最後は例年の両国2連戦ではなく、ファイナル興行のみ両国開催。節電の中、会場は超満員の札止めに(主催者発表の観客は1万1500人)。照明を落としたほの暗さが観る者をより興奮させ、優勝決定戦は異常なほどの盛り上がりを見せた。近来なかったG1風景だった。