黄金世代、夢の行方BACK NUMBER
「一人一人が死ぬ気で戦わないと」
遠藤保仁が代表戦の実情を語る。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byToshiya Kondo
posted2010/03/05 00:00
「一人一人が死ぬ気で戦わないと」 遠藤保仁が代表戦の実情を語る。
監督の指示待ちをしているようではW杯では戦えない!
「勝って、W杯に向けてという部分で改めて気持ちがひとつになったし、岡田さんへの信頼も確固たるものになった。あとは、個々の選手がどれだけ成長できるかでしょ。韓国戦のように戦う気持ちをなくしたり、監督の指示待ちをしているようではW杯では戦えないからね。4月にセルビア戦があるけど、国内組にとっては大敗した韓国戦を受けての試合になる。そこで、岡田さんを悩ませるぐらいのパフォーマンスを見せるべきやし、それぐらいの力は、みんな持っているはず。満男とか新しい選手も次はやってくれるでしょ。で、次も勝って、いい雰囲気で終わって、W杯直前の韓国戦につなげていきたい」
ブーイングは封印され、監督解任騒動も沈静化した。だが、マイナスに振れた針は、岡田ジャパンのベストパフォーマンスとも言えるオランダ戦前半のレベルには戻っていない。そのことを言わずとも理解しているのだろう。バーレーン戦後の取材中、10分16秒もの間、スパイクを持ちながら話をした遠藤の表情は、最後まで和らぐことはなかった。
その視線の先をベンチ外になった稲本潤一が足早に通り過ぎていった。