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伊達抜きでフェド杯勝利。
村上監督が貫いた信念。
~理想の女子テニス代表を求めて~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byMannys Photography
posted2011/08/06 08:00
昇格を決め、選手と喜ぶ村上監督(右から3人目)。来年は2部でスロベニアと対戦する
フェドカップ日本代表がワールドグループ2部入れ替え戦でアルゼンチンを破り、3年ぶりの同グループ昇格を決めた。アルゼンチンは自己最高26位のヒセラ・ドゥルコが自身の結婚式で代表入りせず、ベストにはほど遠い布陣。一方、日本にはエースの森田あゆみにウィンブルドン3回戦進出の土居美咲もいた。ただ、国別対抗戦では何が起きても不思議ではない。勝利を収めた日本の村上武資監督は「このチャンスを逃したら100%自分の責任。死んでも勝ちたいと思っていた」と胸の内を明かした。
ナーバスになっていた一つの要因は、チームにクルム伊達公子の姿がなかったことだろう。敗れていたら、なぜ伊達を使わなかったとブーイングが起きたに違いない。それで傷つくのは選手。だから村上は「死んでも勝ちたかった」のだ。