日本代表、2010年への旅BACK NUMBER

平山に「即効性」を求める日本代表。
今すぐ欲しい得点力と攻撃の柔軟性。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2010/02/12 13:35

平山に「即効性」を求める日本代表。今すぐ欲しい得点力と攻撃の柔軟性。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

「(平山は)自分の特長をもっと出してくれてもいい」と中澤。

 しかしながら平山自身にまだまだ多くの課題が残っているのも事実だろう。縦パスを受けるまではいい。問題はそこから先のプレーだ。ボールを収めきれなかったり、運ぼうとしてミスしたシーンが度々あった。ゴールを奪えていない焦りからかもしれないが、平山に次の動きへのアイデアがあればもっと得点シーンは生まれていたはずだ。

 キャプテンの中澤佑二は期待をこめて、こう言っている。

「(ターゲット役がいることで)今までにない戦い方もひとつ増える。日本はパスをつないで崩していくという形があるけど、(相手が引いたときに)それだけじゃ崩れない部分もある。(平山は)シンプルにボールをはたいてゴール前でドンと構えて、もっともっと相手を引きつけるだけのポストプレーとか、落とすとか、自分の特長をもっと出してくれてもいい。経験が必要かなと思うけど、ボールが集まってくるのは彼のいいところだと思います」

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 後半終了間際に50mのドリブルで独走するなど意外性もあり、観客を沸かせる華があるのもまた平山の魅力である。

 3度の決定機を外した平山は、悔しそうな表情で韓国戦への意気込みを口にした。

「これも宿命だと思ってへこたれず、気持ちを折らずに頑張りたいっす。(韓国戦は)優勝が懸かっているのでゴールは大切。壁はあるけど、乗り越えるのは自分次第ですから」

本大会まであと4カ月。果たして平山に「即効性」はあるか?

 イエメン戦含めて流れを変えるスーパーサブとして、指揮官が起用を続けているのも期待の表れだろう。クロスに対してニアでおとりになってファーを空ける働きなど、ベネズエラ戦ではチームにすぐに効果を与えたが、その一方でシュート0本に終わった中国戦では機能しているとは言い難かった。

 平山という交代カードに「即効性」があるかどうか。その見極めとして次の韓国戦が大事になってくる。平山自身、生き残りを果たすためにもチームプレーと得点の両立を果たさなければならない。

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