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「なのに」と無縁な女子格闘技、
ハム・ソヒvs瀧本美咲の清々しさ。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byTakeshi Maruyama

posted2009/09/26 08:00

「なのに」と無縁な女子格闘技、ハム・ソヒvs瀧本美咲の清々しさ。<Number Web> photograph by Takeshi Maruyama

『JEWELS』初参戦のハム・ソヒ(左)は、前日計量で400gオーバーしたためにイエローカード(減点1)からのスタートとなったが、激しい打撃戦の末、瀧本美咲に圧勝した

技巧と闘志――この試合は“格闘技”だった。

 試合を見終わって感じたのは、余計なものが何もない清々しさだった。インタビュースペースで、ハム・ソヒは「考えていた作戦が全然できなかった。悔しいです」と言った。瀧本は目の周囲を青く腫れ上がらせたまま「打撃の選手と打ち合ってしまう悪い癖が出ました。でも、あそこまで打ち合えたのは収穫ですね」と前を向いた。

 作戦があり、技術があり、それを支える闘志がある。見る者の目を奪う攻防があり、ミスもあり、そして勝者と敗者が決まる。話題性は高くなかったが、そのかわり安手のドラマもなかった。当たり前の話と言えばそれまでだが、この試合は純度の高い格闘技の試合だったのである。言い換えるなら「なのに」と無縁だった。だから、清々しかったのだ。

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