井村雅代の名言 

'04年アテネ五輪まで27年間にわたってシンクロ日本代表のコーチを務め、出場した6度の五輪すべてでメダルを獲得。日本シンクロ界の歴史を築いてきた名指導者が、'06年に中国のコーチに就任。五輪開催国のメンツにかけてメダルは逃せない。井村は「デュエットのほうが可能性が高い」と見ていたが結果は4位。メダル獲得のチャンスはチームのみ。選手のみならずコーチにかかる重圧も大きかったはずだが、「慌てれば結果が変わる？　そうじゃない。そもそも、うまくいかないときどう改善するかがコーチの仕事なんだから、慌てるわけがないんです」と動じなかった。泰然自若とした井村の態度に落ち着きを取り戻した選手は持てる力を出し切り、銅メダル獲得につながったのである。

Number719号(2008/12/25)