ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
バイエルンvs.ヴォルフスブルク。
クラブ幹部として実の兄弟が競い合う!?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byUniphoto Press
posted2010/02/07 08:00
ブンデスを代表するクラブを率いるヘーネス兄弟。選手としてだけでなく、GMとして君臨する兄弟は、サッカー界広しといえども、そう多くはない
終わったはずの兄弟の共演は、昨年末にあわただしく再開した。
まずは兄が、11月終わりにバイエルン・ミュンヘンのGMから会長へと昇格した。
今度は弟が、12月終わりにVfLヴォルフスブルクのGMに就任することが決まった。成績不振のため、当時はGMも兼務していたアルミン・フェー監督の権限が取り上げられたためだ。昨季終了後にヘルタ・ベルリンを去ってからおよそ6カ月ぶりにブンデスリーガの舞台に戻って来た。
兄の名はウリ、弟の名がディーター。ヘーネス兄弟のことである。ともにバイエルン・ミュンヘンやドイツ代表でプレーした経験がある。だが、指導者ではなく、2人ともクラブのフロントで活躍してきた。果たして、そのルーツはどこにあるのだろうか。
家業の肉屋の仕事を手伝いながらヘーネス兄弟は成長した。
「今の私があるのは、お肉とソーセージのおかげです! 私がこの場にいることを父はきっと誇りに思っていることでしょう」
かつて『ドイツソーセージの親善大使』に選ばれた兄ウリ・へーネスは、そのシンポジウムで叫んだという。
ヘーネス兄弟は、肉屋の息子として生まれた。「全身全霊で肉屋をやる」ことをモットーとする父親に育てられた兄弟は、幼いころから両親の営む店を手伝っていた。
「肉屋の店先で私たちは育ったようなものなのです。現在の我々のルーツは肉屋にあるでしょうね。お店に出ることで働くことの意味を学びましたから」
弟のディーター・ヘーネスは、兄弟そろってGMの道に進んだルーツが家業にあると感じている。もっとも、家業を手伝うにあたり、二人は違う感情を抱いていたようだ。
ディーターにとってはストレスを感じる場であったらしい。だから、彼にとってはサッカーがストレスのはけ口になっていたという。
一方、ウリは「学生のころは土曜日の朝には必ずお店に立ったんだ。店番に熱中していたよ」と語るほど楽しんでいたという。ちなみに、ウリにはマルクスやエンゲルスの著作を学生時代に読み漁っていたという逸話も残っている。