Column from GermanyBACK NUMBER
今年のドイツサッカーを大胆に予想すると…
text by
安藤正純Masazumi Ando
photograph byAFLO
posted2005/01/13 00:00
その昔、学校の授業で「国家が繁栄を極めるのは30年が限度」と教わったことがある。日本の高度経済成長がまさにそうだったので、「なるほど、この尺度は当たっているな」と関心したものだ。
サッカーだと30年間は絶対無理な話。せいぜい5~10年といったところか。ドイツは70年代が全盛だった。だから、というわけじゃないが、「世代交代も進み、そろそろ復活してもよさそうな時期に来ているかな」とポロリと口にしたところ、懇意のドイツ人記者がビール片手に吼えてきた。
「いいか、マサズミ。ドイツはクリンスマン監督になってから完全に復活した。これほど有望な若手選手が揃ったのは初めてのことだ。代表チームは不運が重なり韓国に初めて負けたが、05年も連勝を続けるだろう。ブンデスリーガはドルトムントの借金問題以外、悪い話は1つもない。世界一の観客動員数、健全な財政、欧州カップでの活躍はどの国も羨望の眼差しなのだ。すべては良い方向に進んでいる。イタリアの時代は終わったのだよ、チャオ!」
今年前半、ドイツ代表はコンフェデ杯を含め7試合を行なう。そのうち2つはアルゼンチン戦。これを取りこぼさなければ全勝が可能だ。スタジアムはいずれも超満員だろう。コンフェデ杯で優勝を飾り、8月にオランダ(アウェー)を木っ端微塵に叩きリベンジを果たさないと。5月のチャンピオンズリーグはドイツ勢同士の決勝戦でバイエルンがタイトルを獲得、UEFAカップはVfBシュツッツガルトが初優勝を飾る。
こうなると、勢いは止まらない。快進撃を続けるクラブは代表チームをさらに強化させ、一気にW杯本番モードへ突入、こうして05年は06年W杯優勝への序曲となるだろう。
年末のバロンドールはジダン以来となる高得票率でバラックが受賞。FIFA年間最優秀選手も同時受賞する。バルセロナは相変わらず100億円のオファーを出し続け、レアル・マドリードは「150億円にプラスして、ベッカム、オーウェン、サムエル3人をオマケに付けますから」と泣いて頼んでくるものの、バイエルンは支払い能力の保証がないレアルを相手にしない。
右足の疲労骨折が快癒したラームはバイエルン移籍後、大活躍。小柄な少年でも偉大な選手になれるということで、各地で『ラーム神社』が建立される。
GKカーンはミスの連発と傲慢撒き散らしで、ついに代表引退。正GKとなったヒルデブラントだが、日本で「ティモ様」ブームが大爆発。安藤が執筆した「ティモ様本」は100万部を突破。安藤は印税収入を得て、06年W杯のVIP席をまとめ買いです。
こうして10年間の失われた時代を経て、ドイツサッカーは完全復活を遂げた。歴史は始まったばかり、ということで今後30年間、ドイツの黄金時代は続くのであった。めでたし、めでたし。
以上多分に個人的感情を含んだ初夢でした。