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ジェフ千葉、ついに降格目前!!
全盛のオシム時代から徹底検証。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2009/11/07 08:00
ついに、崖っ淵である。
現在、17位のジェフ千葉(勝ち点24)は、次節(11月8日・等々力)の川崎戦に勝っても15位の大宮(勝ち点36/次節は対広島のホームゲーム)の引き分け以上の結果で、J2降格が決定する。
昨年、最終節で奇跡の残留を果たし、日本リーグ時代から44年間守り続けてきた“1部”という砦が、ついに陥落寸前だ。なぜ、こんなことになったのか。
オシム氏の代表監督就任とともに千葉の凋落が始まった。
J2降格へのカウントダウンは、2006年シーズン半ば、オシムが代表監督に就任した時から始まった。
息子アマルが監督を引き継いだが結果は出ず、そのシーズンは11位に終わり、オフには淀川前社長への不信感からチームの柱だった阿部勇樹と坂本将貴がチームを去った。'07年オフには、脱オシムを掲げた同社長に対して「チームの方向性が見えない」と主力の羽生直剛、佐藤勇人、水本裕貴、山岸智、水野晃樹らが大量移籍するという異例の事態に陥った。オシム子飼いの選手たちがチームを去り、「最も美しい」と言われたサッカーも失われてしまったのである。
主力放出でクラブは潤ったが、それをチーム再生のため、戦力補強として十分に活用しなかった。そのツケが出たのが、'08年シーズンだった。クゼ新監督は、5節から7連敗を喫し、11節まで勝ち点2の最下位という惨憺たる成績で解任された。ドン底の状況で、アレックス・ミラーが監督に就任。超守備的で勝ち点にこだわるサッカーに徹し、サポーターと一体となって8勝7敗6分で乗り切り、なんとか残留を決めた。
なぜ昨年の残留騒動からもっと学ばなかったのか?
本来であれば、このシーズンの結果を検証し、同じ過ちを繰り返さないために十分な戦力補強と新たなスタイルを構築するための監督の招聘こそが必要不可欠だった。しかし、劇的なJ1残留を決めた勢いのままミラーを続投させ、最大のウィークポイントである攻撃陣のテコ入れも行なわれなかった。
今シーズン、ミラー監督は、アウェイでは守備的、ホームでは攻撃的というプレミア・スタンダードで、選手を入れ替えて戦った。だが、それはわずか23名という選手層の薄い千葉では、いたずらに混乱を招くだけだった。結果が出ず、チーム内から大きな不満が燻り始め、7月末に4勝8敗7分(16位)という成績でミラー監督は解任された。すぐにコーチの江尻篤彦が新監督に昇格し、OBの手腕にすべてが託されることとなった。
サポーターはもちろん、選手もここからの巻き返しを期待した。昨シーズンも監督交代を機に調子を掴み、最下位からはい上がったからだ。
だが、そうは甘くなかった。