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F1界の根幹を揺るがした、
ブリヂストン「撤退」の衝撃。
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byHiroshi Kaneko
posted2009/11/15 08:00
ミシュランやグッドイヤーを抜き世界シェアと売り上げ高で1位のブリヂストン。'06年のドイツGPにおいてF1通算100勝の偉業も達成している
やはりBSは「撤退」せず? タイヤ問題の決着はいかに。
となると最終的には進退きわまったFIAが、ブリヂストンに三拝九拝。三顧の礼を尽くしてFIAおよび全F1チームの費用負担で、BSのF1タイヤ供給継続となるのが最善の道。たとえばBSの子会社「ファイアストン」のブランド名で……。現実に横浜ゴムはWTCC用タイヤをFIAに買い上げてもらう有償供給の形を採るばかりか、来シーズンは値上げまでしてもらったというくらいなのだから。
そんなふうに想像を逞しくしながらもういっぺんブリヂストンのプレスリリースを読み返してみると「契約満了を一区切りとし」と書いてあるだけで「撤退」の文字はどこにもない。まさかブリヂストンがそこまで先読みしているとも思えないが、ゴムという粘りの製品が主力だけに、軸足はまだF1界にしっかりグリップしているのかもしれない。