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ひと味違うマリナーズ。
この強さは本物か?
~笑顔で答えるイチローの言葉~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2011/06/14 06:00
混戦が続くア・リーグ西地区。5月に入り調子を落としたイチローの復活が待たれている
今や「弱小」のイメージが定着した感すらあるマリナーズが、今季は粘り強く戦っている。5月27日、ヤンキースを下して勝率5割に戻すと、翌28日も延長戦を制して地区2位に浮上したのだ。「この時期の5割は久しぶりですからね。何年ぶりですかね? 記憶にないぐらいですよね」。これまで個人記録ばかりを取り上げられてきたイチローにすれば、チームの勝敗に注目が集まる状況に、表情が和むのも当然だった。
イチローが加入した2001年、マリナーズはメジャータイ記録の年間116勝を積み重ね、それまでの新興球団から強豪の仲間入りを果たした印象を植え付けた。だが、弱体化するのも早かった。大金を投入した補強がことごとく失敗し、'04年から3年連続最下位。'08、'10年には101敗を喫するなど、近年はシアトルの美しくも短い夏を待つことなく、早々と優勝争いから脱落してきた。