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フィギュアGPファイナル 「交錯した4つの運命」 ~五輪代表の座を巡る死闘~
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byMichi Ishijima/Atsushi Hashimoto
posted2009/12/15 10:30
アクシデントにも動じず見事な滑りを見せたキム・ヨナの強さ。
グランプリファイナルの女子を制したのはキム・ヨナだった。この大会の彼女は、ショート、フリーともによい出来ではなかった。
とくに、フリーでは、アクシデントに見舞われる中での試合だった。
「朝の練習で両足のスケート靴がぶつかり、左足の靴の刃が欠けてしまった。演技中も左足が流れてしまう感覚がありました」
冒頭の連続ジャンプは最初のジャンプで前傾姿勢になってしまい2つめのトリプルをダブルにせざるを得ず、その後も全般に勢いのない滑りになった。それでも落ち着いて、大きなミスをおかすことなくまとめきったからこその優勝だった。
極度の緊張や思わぬ出来事の中で、そんな勝負強さを持てるかどうか。それが全日本選手権での代表争いを、そして、バンクーバー五輪の行方をも左右することになる。
ISU GPファイナル 4-5 Dec 2009
【女子】
1 キム・ヨナ (韓国) 188.86
2 安藤美姫 (日本) 185.94
3 鈴木明子 (日本) 174.00
【男子】
1 エバン・ライサチェク (米国) 249.45
2 織田信成 (日本) 243.36
3 ジョニー・ウィアー (米国) 237.35
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5 高橋大輔 (日本) 224.60