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西岡剛「今はまだ突っ走ってもいい」 

text by

橋本清

橋本清Kiyoshi Hashimoto

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2008/04/17 17:12

西岡剛「今はまだ突っ走ってもいい」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 俊足好打に強肩好守。高い身体能力を活かしたプレースタイルで、球界を代表するリード・オフ・マンに成長した。いかにもアスリート然としたその姿はイチローや川崎宗則を彷彿させるが、西岡剛には決して彼らとはひと括りにできない強烈な個性がある。

 ユニフォームを脱げば、自らアクセサリーデザインを手がけ、ひと昔前の野球界なら考えられないファッションセンスを披露する。

 野球だけには収まりきらないマルチな才能はいかにして育まれたのか。プロ入り6年目を迎える西岡が、自身のキャラクターと人としての生き方を語る──。

──キャラがね。イチローとかムネリン(川崎宗則)とかはホンマに野球に一途だけど、ツヨはちょっと違うやん。自分ではどういう意識でやってるの?

 「まずは野球あってのことと意識はしてます。テレビ出たりできるのもネックレスのデザインしたりできるのも、ぜんぶ野球から生まれてきている。いろんなものに興味持って手を出してますけど、今は一番の野球を忘れずに、ってのをモットーに生きてます。野球を引退したら服のブランドとか立ち上げたいし、解説とかよりも違う仕事でやっていきたいと思ってますけどね」

──新庄(剛志)とかイメージしてる?

 「みんなからそう言われますけど、真似しようとはまったく思いません」

──オリジナルがいい?

 「あくまでも自分を持って、野球以外でもいろんなことに取り組んでいきたいです」

──野球やりながらでも、常にアンテナを張っていると。

 「そうです。僕はオンとオフをきっちり切り替えるんです。オンでユニフォーム着てるときは、それこそストイックに野球にのめり込まなあかんと思うし、オフの時は野球のことを一切忘れて普通の23歳に戻ってはしゃぎたい。

 ただ、イチローさんとかムネさんはホンマにストイックで、ユニフォーム脱いでも野球のことばっかなんです。ムネさんとは一緒にいることが多いんですけど、一緒にご飯食べててもずっと野球のこと考えてる。『あの球こういう風に打てば良かった』とか。野球選手はちゃんと整理して次の試合に挑まんといかんですけど、飯食ってる間ずーっとそういう話するんで」

──ワッハッハ。疲れる?

 「疲れはしないけど、もうええやろって言いますね。歩いていて前に階段があったら、あの人は普通にダッシュしますからね(笑)。そのくらい意識が違うんです」

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