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ストライキの決断は「10年後の野球のため」
text by
永谷脩Osamu Nagatani
posted2004/10/07 00:00
近鉄が優勝した'01年、礒部公一はT・ローズ、中村紀洋とクリーンアップを組み、驚異の5番打者として3割2分、95打点の成績で“いてまえ打線”を支えていた。その後、故障で低迷したが、今季見事に復活した。選手会長としても、近鉄・オリックスの合併が発表された6月13日以降は、野球以外の慣れない仕事との両立が続いている。三枝夫人によれば「家でも難しい書類や本をよく読んでいる」状態だが、本人は「去年までとは気持ちの持ち方が違う」と言う。打率は球界再編の動きが出始めた頃2割9分台だったのをストライキの前後には3割台に乗せた。優勝した年も、得点圏打率が4割1分7厘とチャンスに強かったが、今ではランナーのいない逆境の局面でも粘り強い打撃をするようになった。好調の理由は「僕だけじゃなく、古田さんや井端も選手会の仕事をやっているから成績が落ちたとだけは言わせないように頑張っている」というもの。「当事者球団として、近鉄以外の球団に迷惑をかけているのは確か。他の球団の選手会の連中には頭が下がる」とも言っていた。