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力士生活22年、琴ノ若が引退の花道へ。
text by
服部祐兒Yuji Hattori
posted2005/11/10 00:00
奇跡ともいうべき秋場所の大逆転勝利。残り3日の時点で、首の皮一枚のところまで追い詰められていた横綱・朝青龍は、自らの底力と強運で連覇の記録を繋げた。尊敬する大横綱・大鵬の6連覇に並んだ朝青龍。遂に来る九州場所で連覇記録の更新に挑む。
優勝すれば、前人未到の7連覇に加え、平成17年、年間完全制覇の付録つき。しかも北の湖理事長が作った年間最多勝82勝まで射程内にある。2敗までなら最多勝記録も達成。1年の締めくくりとなる九州場所にかける朝青龍の意気込みは、並々ならぬものと想像される。気合いが空回りしない限り、あらゆる記録が塗り替えられる可能性は大だが、最近2場所で圧倒的な強さを見せたのは終盤のみ。慢性的な稽古不足でかつての猛稽古の貯金も底をついてきた感が見られるだけに、他の力士の頑張り次第では秋場所以上にスリリングな展開も期待される。千秋楽、朝青龍の頬をつたうのは、秋場所同様、感激の涙か。それとも悔し涙か。