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大ヒットの傑作映画と不敗女王の関係。
text by
前田衷Makoto Maeda
posted2005/06/23 00:00
日本でも公開された映画「ミリオンダラー・ベイビー」は面白かった。映画メディアも絶賛、軒並み五つ星評価である。
監督・主演のクリント・イーストウッドは、筆者にとって昔から贔屓の俳優の一人だが、この作品でも老トレーナーのいかにも自然体の演技はすばらしかった(唯一100万ドルを賭けた試合の終わり方には引っ掛かるものがあった。ラウンド終了後の反則打でマギーをダウンさせる場面。アクシデントならまだしも、あれほど「悪意を持ったパンチ」はボクサーの生理に合わず、受け入れがたい)。
それはさておき、本コラムで主役に抜擢するのは、マギーに反則打を振るう「ダーティ・ファイター」ビリーを演じたルシア・レイカーである。この女優の本業はボクサー、しかも女子ボクシングで「パウンド・フォー・パウンド最強」と怖れられた不敗の女王なのである。