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ボクシングの擁護者、
B・シュルバーグ逝く。
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byTime & Life Pictures/Getty Images
posted2009/09/14 06:00
コラムを寄稿する傍ら、「スポーツ・イラストレイテッド」の初代ボクシング担当も務めた
バッド・シュルバーグが逝った。地元ニューヨークのメディアはこぞってスポーツ面で追悼記事を掲載したが、わが国での扱いは小さなものだった。「AP通信によると(8月)5日、老衰のため死去、95歳。ハリウッドで作家・脚本家修業をし、マーロン・ブランド氏の出世作ともなったエリア・カザン監督の『波止場』('54年)でアカデミー・オリジナル脚本賞を受賞した」と、共同通信から配信された簡潔な追悼記事が載るだけだった。
肩書きは脚本家とあったが、もとは小説家であり、20代で『何がサミーを走らせるのか』('41年)を発表して世に出た。近年、映画や文学の世界では過去の人扱いされていたが、ボクシングでは“生涯現役”だった。6歳で父親に連れられて会場に足を運んで以来、筋金入りのファン。映画を離れた後はもっぱらジャーナリスト、評論家として亡くなる直前まで新聞・雑誌に寄稿を続けた。