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V9達成の長谷川穂積は
何を目指すべきか? 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byGetty Images

posted2009/08/04 06:00

V9達成の長谷川穂積は何を目指すべきか?<Number Web> photograph by Getty Images

右フックで1度目のダウンを奪うと、すぐさま連打でTKO。1回2分28秒の早業だった

 東京で弟分の粟生隆寛が世界フェザー級王座の初防衛に失敗したころ、神戸では兄貴分の長谷川穂積がすでに仕事を終え、控え室で報道陣に囲まれていた。挑戦者ネストール・ロチャを初回、派手に2度倒し、レフェリーストップ勝ち。これで4連続KO防衛に成功した。4年前、ウィラポンを攻略し世界バンタム級王座に就いたとき「地味なチャンピオンのままでええです」と口にしたボクサーが何という変わりようだろう。

 ウィラポンから王座を奪った時点で、戦績は18勝5KO2敗。それが王座獲得後、9度の防衛戦中6KO。最近の「倒すボクシング」への変貌ぶりは、やはり無冠時代KO率の低かった大場政夫が、世界王者になってから激しく魅せるボクサーに変身した例を思い起こさせる。世界戦経験が2ケタともなれば、少しは衰えの兆しがみえるものだが、長谷川に限ってはそれがない。「待ちの戦法から、意識して倒すボクシングに変えてきているのがいい。28歳の今が一番、脂がのっている」と浜田剛史さんの評価も高い。

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