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英国馬に注目のJCで
ウオッカは勝利を掴めるか。
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byGetty Images
posted2009/11/27 06:00
ブリーダーズカップ・ターフにて2分23秒75の好タイムで連覇を達成したコンデュイット
大統領が毎年欠かさず表彰式にやってくる、シンガポール・ゴールドカップ(クランジ競馬場、芝2200m、GI)を日本産馬エルドラド(セン5歳、父ステイゴールド)が制勝した。同馬は'06年のひだかトレーニングセールで525万円という安価で取り引きされた馬で、オーナーも調教師も日本人。9割がオセアニア産という同国の競馬事情のなかで強烈な存在感を示した。
エルドラドは昨年もこのレースを勝っているが、その後1年間は鳴かず飛ばず。普段は短距離からせいぜいマイルで争われる同国のシステムの中で苦戦を強いられていたが、年に一度のビッグレース(総賞金135万シンガポールドル=邦貨約9000万円)だけは急に2200mに距離が延びることで、ステイゴールドの血から授かった底力がうずいたのだろう。小さな限られた地域での競馬ではあるが、それを見て日本の馬産は意外に中長距離志向だったのかと気づかされた。と同時に南半球産馬が日本の短距離GIで強さを発揮する理由もよくわかった。