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フライ級国内最強を証明した内藤大助。
text by
前田衷Makoto Maeda
posted2006/07/24 00:00
後楽園ホールには一部空席も目立つ。
滅多に見られない、保証付きの好カードでも満員にならないとは、ボクシングファンは一体どこへ行ってしまったのか。いくら亀田人気が凄くても、ボクシング人気は本物といえない。
東洋太平洋王者小松則幸と、日本王者内藤大助によるフライ級ライバル対決(6月27日)。好カードが期待外れに終わることも珍しくないが、この一戦に限っては期待通りの好ファイトだった。
接戦も予想されたが、実際は「日本王者」が「東洋王者」を技術的に終始圧倒した。気迫のファイター小松は果敢に前に出るものの、頭脳的な内藤のフェイントを取り入れた変則的な動きにはぐらかされ、会心のヒットに繋がらない。後半に入った6回、突如訪れた結末は衝撃的だった。両者のパンチが交錯したと見えたが、内藤のノーモーションの右が一瞬早く小松のあごに飛び込んだ。それまで耐えに耐えてきた小松も、カウンターで浴びたこの一撃には我慢できず、前のめりにキャンバスに落ちた。足をもつれさせて立つのが精一杯。内藤の追撃に遭うとすぐさまレフェリーストップがかかった。実力拮抗した同士の戦いは、時にこのような明白なかたちで決着がつく。