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ヒルマン野球の申し子、工藤隆人の存在感。
text by
永谷脩Osamu Nagatani
posted2007/09/06 00:00
日本ハム・工藤隆人が今季初めて一軍に登録されたのは、交流戦後半の6月18日だった。
新庄剛志が抜けた日ハム外野陣は、昨シーズンに一度戦力外となった坪井智哉を戻し、2年目の川島慶三、1年目の金子洋平などの若手も試された。そこで工藤にもチャンスが巡ってきた。高田繁GMがイースタンで3割7分9厘、盗塁15の実績に目を付け、淡口憲治打撃コーチに「とりあえず見てくれないか」と言って一軍に昇格させたのだ。
工藤もその期待に応えた。登録翌日の広島戦に代打で出場。50m5秒8の俊足を飛ばして、いきなり三塁打を放つ。さらに翌日も足を生かした内野安打でアピールすると、初スタメンを勝ち取った阪神戦でも3安打を放ち、レフトのポジション争いに名乗りを上げたのである。初出場以来、6試合連続ヒット。「面白い存在」と、ヒルマン監督を喜ばせるには十分だった。