オリンピックへの道BACK NUMBER
ひとりではなく、オールジャパンで!
スポーツ選手の支援と本当の「復興」。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakaomi Matsubara
posted2011/03/30 10:30
25日、11時30分~13時まで渋谷駅西口付近で募金活動を行なったALSOK所属のアスリートたち(写真左から伊調馨、塚田真希、吉田沙保里)。実家が青森県・八戸市で親族・知人も多い伊調は「今は自分にできることを精一杯やるしかない」と必死に募金を呼び掛けた
やるべきことはただひとつ……全力でプレーすること。
中止が続いていたスポーツ・イベントだが、4月2日からは福岡で世界柔道選手権代表選考のかかった全日本選抜体重別選手権、9日からは競泳の国際大会代表選手選考会があり、その他にも体操、レスリングなども大きな大会を予定通り開くと発表されている。これらの大会の先に国際大会があり、来年はロンドン五輪が控える。
アスリートとして、震災被害に関して少しでも発信する機会を得るためにも……まずは自身の競技にとことん打ち込み、全力のプレーを示すこと(伝える側は、全力で伝えること)。できることと言えば、ありきたりだが、それしかない。
悲惨な現実を、ひとりの力で一気に変えることは難しい。与えられた現実の中で、それぞれに出来る限りのことを少しずつでも積み上げていくしかない。
震災支援を続けるアスリートのとある言葉、「全日本、オールジャパンで行きたいよね」という願いも、その延長線上にある。