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【動画】「芽吹や篠原にも近い練習を」立教大学・高林祐介監督が驚いた“エース”の急成長…そして就任2年目で抱く危機感とは?「3年生以下には常に…」

2025/07/10
箱根駅伝に挑む指揮官を動画でインタビューする連載「駅伝監督」に、立教大学・高林祐介監督が登場です。駒大コーチから転身した昨季は、箱根駅伝予選会をトップで通過した勢いそのままに、全日本大学駅伝で初出場ながらシード権獲得を達成。しかし、箱根駅伝では超高速化したシード権争いからこぼれ、総合13位。目標には届きませんでした。あれから半年経った今、初指揮の箱根路を振り返るとともに、大学長距離界のエースになった馬場賢人の成長、そして現状への危機感など、約58分じっくりとお話をうかがいました。

「一言で言うと、監督としての読みの甘さがありました」

 往路8位、復路12位、そして総合13位。高林監督は、初めて指揮を執った箱根路をこう振り返り始めました。

 戦前、指揮官が掲げた設定タイムは10時間58分20秒。例年と照らし合わせれば、ほぼ間違いなくシード権を確保できるタイムです。実際のタイムは設定「+1秒」とほぼ設定どおり。しかし、終盤まで東京国際、東洋、帝京、順天堂による「四つ巴」のシード争いが白熱。立教はそこに加わることができずシード争いからこぼれ落ち、結果的に、10位の帝京とは3分20秒開きがありました。

「自分たちの想定していたレースはできたけれど、それ以上に今年はレベルが高かったし、相手の力の発揮具合までは読み切れなかった。シード権を争っていた大学さんは復路順位がかなりいいんですよね。元々の力ももちろんありますし、(ライバル校の)箱根当日に向けたピーキング力が想定以上で、そこに完全に蹴落とされてしまったなと思っています」

photograph by Yuki Suenaga
photograph by Yuki Suenaga

 実は直前の1カ月、多くの選手が「年間で一番走り込んでいた」のだと明かします。チームの戦意が高まり、集中した雰囲気であった一方、「頑張り過ぎた」感も否めませんでした。

「強度の高い練習はこちらで指示をしていますが、ジョグとか各自練習の走行距離は、自分の状態や体調に応じて調整できるようにバッファー(裁量)を持たせているんです。箱根が終わった後に振り返ってみたら、夏合宿より走っているじゃん!って。彼らの気持ちをうまく汲み取って、箱根にピークを持っていけなかったのが反省点です」

 ただ、往路を1968年以来、57年ぶりにシード圏内で折り返すなど見せ場も作りました。中でも、監督にとってサプライズだったのは、2区の馬場賢人(現4年)。16位でタスキを受け取ると、7人を抜いて9位までジャンプアップするなど、かつてないハイレベルな戦いとなった2区を66分32秒の区間7位で飾りました。

「序盤の暫定区間順位が、留学生に次いで3番。『やっば~~』って思って(苦笑)。最初は下り基調なのでスピードが出ちゃうんですよね。これまで数々のそういう失敗を見てきたから、給水で『調子に乗らないで抑えろ』と伝言を任せました。でも、蓋を開けたらそのまま粘り切っちゃった。しっかりリミッターを外してチャレンジできるんだなとびっくりしましたね」

 監督が伝えていた「最低限67分台」の目標を悠々とクリア。さらに2月の日本学生ハーフでは、日本人学生歴代3位となる60分26秒をマークして2位となる見事な走りで、ワールドユニバーシティゲームズの代表内定を決めました。もはや立教のエースであることは言わずもがな、学生長距離界を引っ張る存在へと成長しています。

「(去年の)全日本の時点では、流れを変える、こいつに任せれば大丈夫と言えるかどうかという立ち位置だったと思います。でも、その期待を超えてきてくれた。今季のチームに関しては、馬場がいるというアドバンテージは大きいなと感じていますね」

 しかし、チームの現状を楽観視しているわけではありません。高林監督がポイントに挙げるのは「3年生以下」の選手たち。主軸となる馬場や國安広人ら4年生の力に頼るのではなく、「立教を背負って他大学と勝負できるようなメンタリティを持つことが一番必要」と、さらなる奮起をうながしています。

就任1年目に感じた「最上級生」という存在のデカさ

 就任2年目、選手たちと信頼関係が生まれたからこそ、抱いている「危機感」。そして、ランナーとしてもう一段階強くなるため、教え子たちに求めたい「姿勢」とは――。

 動画インタビューでは、他にも以下の話題に触れています。

  • 就任1年目に感じた「最上級生」という存在のデカさ
  • 「篠原や芽吹に近しい練習ができている」馬場の成長
  • EXPO駅伝、男鹿駅伝オーダーの意図
  • 高林監督が思う「立教らしさ」とは?
  • 「うちの子たちは…」監督を驚かせる?ある力"
  • 「丸裸です」SOXAIを使ったコンディション管理

 就任1年目で、立教大学の「戦う土台」を引き上げた高林監督。就任2年目のいまは、自身を育てた駒沢という厳しい環境を「指標」にしつつも、立教らしいチームづくりを探求する様子が伝わってきました。ぜひご覧ください。(6月30日取材)

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