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【J2で“事件”発生中】水戸ホーリーホックが起こそうとしている「2億5000万円の奇跡」に迫る《修正されたクラブ哲学とは?》

2025/09/12
J2リーグで誰も予想しなかった“異常事態”が起きている。順位表の一番上にいるのは、資金力に乏しく、「J2の番人」と呼ばれながらも地道に若手を育ててきた地方クラブ。なぜ彼らは躍進したのか。その秘密を指揮官とGM、エースが明かした。(原題:[J2で“事件”発生中]水戸ホーリーホック「2億5000万円の奇跡を」)

 夢か現か幻か。日本サッカーの最高峰、J1リーグへの昇格をめぐる苛烈な争いにおいて、にわかには信じ難い出来事が起きている。思いもよらない伏兵がJ2リーグの首位を突っ走っていることだ。

 水戸ホーリーホックである。

 J2の番人。長きにわたって、そう呼ばれてきた。クラブの創設は1994年であり、JFL(日本フットボールリーグ)からJ2に昇格したのが2000年のことだった。それから四半世紀が経った現在もなお、J2で戦い続けている。

 思えば、'00年のJ2リーグは水戸を含む計11クラブで争われた。その中で、いまだJ1で戦った経験がないのは水戸だけだ。過去の戦績を振り返っても最高順位は7位に過ぎず、優勝争いはおろか、昇格プレーオフ圏内に食い込んだ実績すらない。

 先日、チャットGPTに《水戸と聞いて思い浮かぶ言葉は何か》と尋ねると、1位が水戸黄門、4位が納豆、5位が日本三名園の一つでもある偕楽園とのこと。そして、肝心のホーリーホックはと言えば、水戸のシンボルタワーとして定着した水戸芸術館に続く18位に留まった。

 いや、彼らに足りないのは実績や知名度ばかりではない。チームの強化、人的リソースの充実に不可欠とも言うべき資金力にも限りがあった。実際、西村卓朗ゼネラルマネジャー(以下、GM)によると、今季の人件費は「今夏の移籍市場で使った分を含めても、ざっと2億5000万円」という。実力派の外国籍選手を2人も獲得すれば、すぐに底を突きそうな額である。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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