動画・音声

記事を
ブックマークする

【Podcast】「ヴェルディでの充実感を上回るものはない」城福浩が熱く語った“サッカー山の登り方”と監督としての自問自答「どんな苦労が自分らしいのか」《東京ヴェルディ特集④》

2025/03/28
2022年からヴェルディを率いる城福浩監督
昨季J1の舞台で昇格初年度、そして低予算ながら6位と大健闘した東京ヴェルディ。オフには積極的かつ選手側からの高評価が透ける補強を見せ、クラブとして長かった低迷期を完全に抜けて成長のフェーズにあることをサッカーファンに実感させた。今季の序盤はやや苦戦しているものの、クラブと城福浩監督が描く未来像が刺激的であることに変わりない。NumberWebの近藤篤さんによるインサイドレポートの元になった4本のインタビューをほぼまるごとポッドキャストで公開。木村勇大選手と平川怜選手森田晃樹選手と谷口栄斗選手、そして江尻篤彦強化部長に続き、トリを飾るのは城福浩監督だ。

「すごく失礼な質問なんですけど、昨季あれだけの結果を残した城福さんという監督に、他のクラブからのオファーはなかったんですか?」

 聞き手の近藤篤さんから、そんなドストレートな質問が飛び出した。少しの間があり、そして困ったような笑顔を浮かべた城福監督は、こんな話を始めた。

「それはね…まぁまぁ早い段階から、ヴェルディが戦力を維持できるのであれば、これで自分が監督であれば戦えるという補強をしてほしいと(クラブに言ってきました)。監督人事って何年契約をしているって言わないわけじゃないですか。だからこそ、他のクラブからオファーがあったかどうかは別にして、しっかりとした戦力がいるか見極めて継続したいというスタンスでした。想像以上にチームに残る選手がいれてくれたので、年末には(続投の)リリースを出せるかなと」

 そしてヴェルディで監督を続けることで「もう少し先のビジョン」をどう描いているのか、という質問に対しては大変興味深い答えが返ってきた。

「ご質問の答えになってるかどうかわかりませんが、成果の一つの指標にコストパフォーマンスがありますよね。どの業界においても、当たり前だと思いますけど。自分の中では、与えられた環境、与えられた条件以上の結果を残そうと思っているんです」

 だからこそ、クラブとしての予算が潤沢とは言えないヴェルディを率いることが自分にはあっている、という。

「資金を潤沢に使って、最高の選手に三顧の礼をもって来てもらう。そういうチームには、そういうチームなりの大変な苦労があるんです。失敗すると、ものすごく大きなハレーションが起こる。結局、どの道を辿って山に登っても、しんどいのはしんどいのもわかります。じゃあ、山頂を目指す時に、どのしんどさが自分にとって一番充実感があるのか、と。私はもちろん全てを経験している訳ではありませんが、私の知っているしんどさの中では、今の山の登り方、このヴェルディというチームで感じている苦労、やりがいが一番自分らしいのかな、と。そんなふうに思います」

 その他にも、このポッドキャストインタビューではこんなことを聞いている。

  • 取材陣が呆然とした「オフの過ごし方」は…?
  • 1泊2日で受診した人間ドックの結果
  • 去就を迷った選手に対して監督ができること、できないこと
  • 「Jリーグでのアドバンテージ」自慢はコーチ陣やスタッフ
  • 衝突もあった…なぜチーム内部がうまく回り始めたのか?
  • 「交通整理です」チームをまとめた城福監督のマネジメント術
  • 昨季と今季、キャンプ時点での決定的違い
  • J1で2年目、監督とてして突き詰める「コンマ1秒」の世界
  • そもそもなぜヴェルディの監督を引き受けたのか

 このインタビューから浮かんできたのは、城福浩という指揮官が、サッカー監督としてだけでなく、組織のマネジメントにも長けた管理職であるということだ。ヴェルディファンはもちろん、監督論、組織論に興味がある人にも必聴の48分だ。

※ポッドキャストをお聴きいただけるのはNumberPREMIER会員限定で、このページ下部でご視聴いただけます。

会員になると動画を視聴いただけます
続きの内容は…
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「年額プラン」もしくは「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Atsushi Kondo

0

0

1

関連
記事