「最近格闘技界は暗い事件が多い。ここ数日間はこの試合だけを楽しみに生きてきましたよ」
6月11日、東京・後楽園ホール。場内で旧知の格闘技ライターが真顔でそう話しかけてきた。試合開始のゴングを待ちわびているのはファンだけではない。書き手だって“生きる糧”にしているカードはある。もう格闘技を見続けて20年近くなる私の胸だって、まるで翌日に遠足を控えた子供のように高鳴っていた。書き手の期待を一身に集めていたのはキックボクシングのフェザー級5回戦、山本元気(DEION)とワンロップ・ウィラサクレック(タイ)の一騎討ちだ。
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photograph by Susumu Nagao