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金メダル16個のバックグラウンドとは。

2009/03/08

 アテネ五輪が閉幕してから3週間が経過したが、メダルラッシュの余韻はいまだに続いている。テレビや新聞、雑誌でメダリストの顔を見かけない日はなく、日本にとってはまさに'64年の東京五輪に匹敵する歴史的な出来事だったと言っていいだろう。ただし、同じ金メダル16個でも、そのバックグラウンドはまったく異なる。

 東京五輪当時の日本は高度成長期の真っ只中にあり、選手強化の中心は国内の優良企業だった。選手のモチベーションも「国のために戦う」という意識が強く、科学的なデータに基づく練習よりも汗と涙の根性論がまかり通っていた。日本オリンピック委員会(JOC)や各競技団体の役員や強化担当者にはボランティア精神が求められ、各自の仕事の合間に業務をこなすのが当たり前だった。

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photograph by Takao Fujita

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