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【インディ500】佐藤琢磨が“16回目の挑戦”で見せた「100分の7秒の後悔」、そしてドリームチームが起こした「奇跡」とは?「チャットGPTに訊いてみたんです」

3度目のインディ500制覇の夢は、冷たい曇り空に溶けて消えた。予選2位、フロントローからスタートし、200周レースの86周目まで事実上のトップを走り続けた佐藤琢磨の挑戦は、87周目のピットストップで潰えてしまった。オーバーランした75号車がメカニックたちの手で押し戻される間に、ライバルのマシンが次々にコースインしていった。
「もう、悔しくて悔しくて、ため息ばっかり出て。『1秒早くブレーキ踏めば良かったね』とかみんな言うから、はぁ1秒かぁ~って。でも“本当に1秒なんだろうか?”って疑問に思い、チャットGPTに訊いてみた。『60mph(約97km/h)制限のピットで止まり切れなくて6フィートオーバーした場合、何秒前にブレーキ踏んだらちゃんと止まれた?』って訊ねたら『100分の7秒』って言われて(笑)。0.1秒未満だよね。たったそれだけ早くブレーキ踏めばオーバーシュートせずに止まれたらしいです。それがトップを争っていけるか、17位でピットアウトするかの違いになったんです」
500マイルのレースはまだ半分以上残っていた。トップを走ってきた速いマシンなのだから、きっと挽回してくれるはず――そんな願いも叶わなかった。極端なほどオーバーテイクが少ないレースになった。例年にない寒い気候のせいで路面温度が低く、タイヤはオーバーヒートせず性能低下もしなかった。冷たい気候では空気密度が高く、誰もが相応のダウンフォースを得ていた。結果、ハイペースのレースになり、多くのマシンの乱気流をすり抜けてポジションを上げてくるのは至難の業になった。
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