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<Qちゃんがサバイバル登山家と山頂へ> 高橋尚子×服部文祥 「山の楽しみ方、教えてください」

2012/06/14
「大人の山登り」は、まず“心構え”を知ることから始まる。
今回の生徒役は「山と言えば
地トレーニング」のQちゃん。
先生役は話題のサバイバル登山家・服部さん。
2人が向かったのは、三重と滋賀の県境、
鈴鹿山脈の名山として知られる御在所岳だった――。

Number Webでは、6月14日(木)発売の雑誌Number Do『大人の山登り。~ゼロから楽しむ入門編~』より、山登りをめぐる対話を特別公開します。

高橋 今日はサバイバル登山家の服部さんといっしょに山に登れるということで楽しみにしてきました。

Bunsho Hattori
1969年、神奈川県生まれ。東京都立大フランス文学科卒業。'96年、K2に登頂したほか、冬期の黒部横断など国内外に複数の登山記録がある。'99年からは食料を現地調達するサバイバル登山を実践。現在、山岳雑誌『岳人』の編集部員。

服部 俺は最近、陸上の中距離走が趣味なので、どちらかというと駆けっこをしたいなと思ってきたんですけど(笑)。

高橋 へえ? 中距離ですか。登山のトレーニングのために?

服部 いや、真剣に走ってるんです。マスターズ陸上の日本一を狙いたくて。

高橋 えっ!? 何分ぐらいで走るんですか。

服部 調子がよければ800mは2分5秒ぐらい。

高橋 私より速い! 1500mは?

服部 去年自己ベストが出て、4分27秒です。

高橋 じゃあ、1500mになると私が勝てるわけですね。よかった(笑)。

服部 800mと1500mで考え方がぜんぜん違ってきますよね。好みとしては、ギャンブル的な800mのほうが好きなんですよ。

高橋 でも、それって山登りとはぜんぜん違う考え方ですよね?

服部 普通に登山道を歩く山登りとは違いますけど、クライミングには近いんです。

ボルダーでの“サバイバル登山家”ばりのトレーニング。

高橋 私は岐阜育ちなんで、やっぱり山や自然が大好きなんです。実家の近くに金華山という山があって、子供の頃はよくおにぎり一個持って、てけてけ歩いて登りました。だから、今でも山を見るとほっとします。

服部 現役時代は長期間、ボルダー(アメリカ・コロラド州)の山中にいたんですよね。

高橋 ボルダーは住む場所としても好きですね。家の前で鹿が寝てたり、プレーリードッグが100匹ぐらい並んで立ってたり。あと熊に遭ったこともあるし、本当に自然が豊かなんです。逆に何カ月か山で合宿した後、街に戻ると、すごく違和感があるんですよね。すべてが人工物で覆われていて、ちょっと気持ち悪い感じがしてしまう。

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photograph by Takuya Sugiyama

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