#1122
巻頭特集

記事を
ブックマークする

《独占インタビュー》「まだ限界を想像したことはない」角田裕毅が語るレッドブルで求められる“2つの信頼”とは?「…慣れたところでマックスと比べてみたい」

スペインGP後、イタリアの自宅からリモート取材に応じた角田
シーズン途中で訪れた突然のトップチームへの昇格。期待と不安が渦巻く中、繊細なマシンへの適応作業が続く。この先に表彰台、そして初優勝への道は切り拓けるのか。F1参戦100戦目を迎えた25歳が胸中を明かした。(原題:[独占インタビュー]角田裕毅「まだ限界を想像したことはない」)

 1000分の1秒を争うF1の世界では、すべてが一瞬で切り替わる。

 期待が失望に、批判は称賛に――。

 4月のレッドブル緊急昇格によるハネムーン期間は終わりを告げ、角田裕毅に向けられる視線はそろそろ現実的なものに変わりつつある。

 マシンが低調で予選最下位となった第9戦のスペインGPに続き、第10戦のカナダGPもかみ合わないレースだった。

 フリー走行での赤旗中の違反行為で10グリッド降格の裁定を受け、決勝は後方18番手からのスタートを強いられた。期待されていた新パーツ投入のタイミングの悪さやブレーキトラブルの発生など、チームのサポートにもちぐはぐな面が見受けられた。

 それぞれに斟酌すべき点はあるが、これで3戦続けてポイントなし。ドライバーズランキングは15位。まだ周囲を唸らせるような走りを見せているとは言いがたい。

思ったことをストレートに口にするのが角田

 そんな角田に話を聞けたのは苦闘のさなかのスペインGP後だった。しかし、イタリアの自宅からリモート取材に応じた日本人ドライバーは案外、平気な顔をしていた。

 そして、あっさりとこう言うのだった。

「今まで一回もないんです。壁を感じたことって。自分のキャリアを通じて考えてみても、まだないですね」

 今まさに大きな壁にぶつかっているように見えるのに、その口調は強がりや虚勢を感じさせないものだった。何より思ったことをストレートに口にするのが角田のキャラクターだ。だとしたら、やはりそれは25歳の本心に違いない。

会員になると続きをお読みいただけます。
続きの内容は…
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Kiichi Matsumoto

2

0

0

この連載の記事を読む

もっと見る
関連
記事