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《リリースポイント、アームアングルを分析》投手・大谷翔平は2025年どこまで“仕上がった”のか?「コマンドより、“スタッフ”の状態がいいのが術後」と大谷本人も証言
ワールドシリーズ第7戦の試合前、ブルペンで肩を作り始めた大谷翔平は、捕手を座らせてから徐々にギアを上げたが、数球ごとに間を取った。捕手の背後にはトラックマンが置いてあり、各球種の変化量、回転方向などが逐一タブレットに表示される。それを確認していたのだ。試合前のブルペンでは感覚を重視し、データを見ないという投手もいるが、大谷にとってその作業は何年も前からのデフォルトだ。
そのとき、小刻みにうなずくこともあれば、軽く首をひねることもあったが、実は第4戦で先発し、6安打4失点で負け投手となると、「単純に自分の動き、技術的な動きの部分がブルペンから良くなかった」と試合後に明かした。それは必然、データにも表れる。試合前の段階であの第4戦は、苦しいピッチングになることを覚悟していたようだ。そしておそらく、3回途中5安打3失点でマウンドを譲った第7戦も同様だったのではないか。顕著な例を挙げるなら、プレイオフに入って“仕上がった”はずのスプリットが、ワールドシリーズではまるで使いものにならなかった。
投手としてはリハビリと位置付けた2025年、大谷は様々なテーマを設けた。数例を挙げると――。
(1)フォーシームの回転効率の向上
(2)球種ごとに異なるリリースポイントの高さ、アームアングルを一定にすること
(3)スイーパーとスプリットの共存
'25年、“浮力”につながるフォーシームの回転効率は'23年までの75%前後からアップし、試合によっては80%を超えることもあったが、90%に達することはなかった。ただ、その分を球速と回転数などでカバー。全体の質としては向上した。
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