#945
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【五輪に懸ける2人の想い】坂本花織「表彰台からの風景を見たい」三原舞依「それでも心は折れません」《クロスインタビュー/2018年》

左から三原舞依、坂本花織
ともに五輪の大舞台を目指し、フィギュアスケートに青春のすべてを捧げてきた親友にして、ライバル。ひとりは夢をつかみ、ひとりは夢が叶わなかった。ふたりはお互いに対し、感謝の言葉をあふれさせる。そして再び、それぞれの夢に向かって歩きはじめた。(初出:Number945号 [五輪に懸けたふたりの想い]坂本花織「表彰台からの風景を見たい」三原舞依「それでも心は折れません」)

 ふたりでいれば、いつも笑顔でいられた。小学生の頃に出会い、10年間励ましあいながら、一緒に練習を頑張ってきた。

 今シーズン、ふたりは同じ目標を思い描き、一緒に大舞台に立とうと誓って進んできた。

「完全オフは1月1日だけでした。だいぶ代表になった実感が湧いてきて、『やってやろう』と思うようになりました」

 全日本選手権から2週間後の1月6日、坂本花織はそう言って笑った。

 平昌五輪の代表選考を兼ねた、昨年12月の全日本選手権。坂本はショートプログラム(SP)で完璧な滑りを見せて1位発進を果たす。フリーは最終滑走でさらに重圧がかかる中、回転不足などを除けばミスなく滑り切って総合2位。見事、平昌五輪代表の座をつかんだ。

「(最終滑走は)これ以上のプレッシャーはないだろうと思いました。絶対に緊張するだろうなと思いながら、実際、フリーまでの間は知らないうちにめっちゃ緊張して、これじゃ絶対駄目だと思うくらいでした。でも試合でリンクに送り出して下さるとき、中野(園子)先生から『かおならできる。練習してきたんでしょ』と言われた瞬間、『あ、そうか、練習を頑張ってきたからその通りやればいいんだ』と思って、余計な力がストンと落ちました」

 昨シーズンはジュニアGPファイナル、世界ジュニア選手権ともに銅メダルを獲得。シニアデビューがオリンピックイヤーと重なった今シーズン、坂本は「オリンピック出場」を目標に掲げてきた。

「('16年の)ユースオリンピックのときに初めてオリンピックのマークのついた服やカバン、リンクを見て、『あ、これがオリンピックの空気か。本当のオリンピックに出たい』と思ったのがきっかけですね」

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photograph by Asami Enomoto

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