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「お前は将来、牧場で働きたいのか?」追分ファーム、社台グループの“後発”生産牧場が追う夢「いつか父を表彰台に」《リードホースはフェノーメノ》
新千歳空港から東に直線距離で約14km。15km北にある社台ファーム、8km南のノーザンファームを結んだほぼ線上に、追分ファームの育成調教を担う分場、追分ファームリリーバレーがある。10kmほど離れた本場で生まれ、離乳して母馬と別れた仔馬は、ここでまず1年間、放牧を中心とした中間育成で体力を養う。そして人を乗せることを覚え、全長1020mの屋根付き坂路で鍛えられたのち、デビューを控えた競走馬として東西のトレセンへと旅立っていく。
イヤリングと呼ばれる中間育成の馬の放牧地で、20頭ほどの1歳馬たちが思い思いに動き回っている。放牧は夜間も行われ、何頭かに装着されたGPS機器で運動量が管理されている。そんな仔馬の群れに、1頭だけ大きな馬が混じっている。右後ろの脚先以外は馬体も顔も真っ黒なその馬は、追分ファームの生産馬で、2012年ダービーの2着馬フェノーメノだった。
ダービーでディープブリランテにハナ差届かず敗れたフェノーメノは、その後、天皇賞(春)を2連覇して種牡馬となった。そして'21年に種牡馬を引退し、リードホースとして追分ファームへ戻っていた。現在16歳。人の目の届かない放牧地で仔馬の群れを統率し、落ち着かせるのが仕事だ。
リリーバレーのイヤリング主任、鈴木隆一は「よく一緒になってテンパって走り回ってますけどね」と笑う。
「でも呼ぶと真っ先に帰ってきて、みんなそれについてきてくれるので、そこは助かります(笑)。ファンは多いですね。馬に小分けの牧草をプレゼントする業者があって、今でもフェノーメノ宛に牧草が届きます」
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※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
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