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《雪辱のダービーへ》クロワデュノールは「オール5」の逸材…北村友一が語る皐月賞の敗因、そして落馬→リハビリで会得した「呼吸の仕方で背骨を操れる」

2025/05/21
1番人気の支持を集め、三冠も期待された昨年の最優秀2歳牡馬だったが、一冠目を手にすることはなかった。それでも、鞍上の期待は揺るがない。落馬で背骨の一部を失った代わりに、新たな武器を手に入れた騎手は、大勝負を前に約1時間にわたってその胸の内を明かしてくれた。(原題:[雪辱のダービーへ]クロワデュノール&北村友一「“オール5”を導く呼吸術」)

――まずは皐月賞を振り返って、2着という結果をどのように受け止めていますか?

「皐月賞のクロワデュノールは100%の仕上げだったのかと聞かれたら、少し余裕残しだった感触はあります。もちろん、いい意味で、です。レースは前半の1000mが59秒3とソコソコ流れていましたが、バックストレッチ半ばというかなり早いタイミングでもう一つ二つ動き(ファウストラーゼンのまくりと、それに乗っかったアロヒアリイの追い上げ)がありましたよね。こっちもそれに対応して動いていったわけですが、クロワデュノールならそのまま押し切れるという感覚があって、そこは自信を持っての動きでした。でも、最後はちょっと疲れてしまったなっていう……」

――最後は1馬身半離されてしまいました。

「ミュージアムマイルが伸びてきたとき、こっちは坂の上で脚が上がっていましたからね。ホープフルSの勝ち時計が2分0秒5で、皐月賞の決着が1分57秒0。同じコース、同じ距離でも、レースの質はガラッと変わっていたので、そこを踏まえれば、そんな中でよく走ってるなと思います」

 4月20日、牡馬クラシック初戦となる第85回皐月賞は、3番人気のミュージアムマイル(栗東・高柳大輔厩舎、父リオンディーズ)が、1分57秒0のレースレコードで優勝した。北村友一騎手(38)が騎乗し、断然の1番人気に支持されたクロワデュノール(栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)は2着。無事に行けば三冠も、と言われた傑出馬が、デビュー4戦目で初めての黒星を喫した。

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photograph by Photostud / Kiichi Matsumoto

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