#966
巻頭特集

記事を
ブックマークする

「弱いところもそのまま出す。自分を受け入れたいんです」宇野昌磨が明かした平昌オリンピック後の“大きな変化”<アーカイブ記事/2018年>

過去の自分を見つめ直し、新たな気持ちで挑んだ今季は、スケートカナダ、NHK杯を制覇。ジャンプの面では課題もあるが、試行錯誤を続けながらさらなる成長を誓う。(初出:Number966号 宇野昌磨「ありのままの自分を信じて」)

 ファンに向かって何度も大きく手を振りながら、嬉しそうに一番上の客席まで視線を送る。

「NHK杯は日本開催なので、たくさんのお客さんの声援が力になりました。期待に応えられたかというと、後半失速してしまって応えられていない気もしますが、気持ちが伝わっていれば嬉しいです」

 これが宇野昌磨のセリフだろうか。NHK杯で優勝し、グランプリファイナルに一番乗りで進出した宇野。昨季までとは何かが違う。オリンピックの銀メダルは彼の何を変えたのか。

宇野は山田満知子と共に後輩たちを眺めていた

 今年のある夏の日。名古屋スポーツセンターでは、そこで育った浅田真央や宇野を目指し、子どもたちが目を輝かせながら滑っている。そのリンクサイドで、宇野はヘッドコーチの山田満知子と共に後輩たちを眺めながら談笑している。

「満知子先生のレッスンは、今はもう月に1回くらい。技術指導とかではなくて『お話の時間』という感じです。スケートの昔話とか、小さい子達の噂話や相談とか。僕、先生のおしゃべりの聞き役なんです」

 いままではチーム全体で宇野をサポートしているという雰囲気があったが、今季は様子が違うようだ。

「このシーズンオフに、性格も考え方も変わりました。昨季までは、本当に自分のために滑っていた。でも平昌オリンピックの後、色々なアイスショーに出て、お客さんたちの喜ぶ姿を見ているうちに、自分勝手に滑っていたら申し訳ないなと思ったんです。今は期待してくださる方のためにも、責任感をもって自分らしい演技をしたい、と思うようになりました。『演技を楽しめればいい』という昨季のモチベーションの上げかたを、すごく反省してます」

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Naoyoshi Sueishi

この連載の記事を読む

もっと見る
関連
記事