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「変わりたい…よりも、壊していきたい」41歳イチローが語る新天地での変化と成熟、そして言葉「本当に自分のことを伝えられるのは、自分ではない」《インタビュー/2015年》

イチローは41歳になった。
日本での9年間で1278本、メジャーでの14年間で2844本のヒットを放ってきた。今年、日米あわせてプロ24年目の春を過ごしている。
2015年3月半ばの、フロリダ州ジュピター。
マイアミ・マーリンズがスプリング・トレーニングを行うロジャー・ディーン・スタジアムには、クラブハウスが隣接している。その日の練習を終えたイチローが、海苔を巻いていないおにぎりを2個持って外に出てきた。フロリダの強い陽差しが照りつける中、イチローはベンチに腰掛けると、美味そうにおにぎりを頬張った。
そんなイチローの横を、マーリンズの若いマイナー選手が通り過ぎる。何人かの選手がスペイン語と英語をごちゃまぜにして、イチローに声を掛けた。
“?Qué pasó?”(元気か)
“Two hits?”(今日のヒットは2本?)
イチローが流暢に応える。
“I’m not playing today. Tomorrow!”(今日は試合出てないよ、明日だ)
“How did you do yesterday, three hits?”(じゃあ、昨日はどうだった、ヒット3本か?)
“No no, Zeeeero!”
イチローの発音をあえてカタカナで表すなら、“ゼロ”ではなかった。
“ジィィィーロォウ”
相変わらず、見事な発音だった。
「川崎宗則以外、得意なヤツなんていないと思います」
──英語もスペイン語も、不自由しませんね。
「もうあきらめました。日本語もろくに扱えないのに外国語やってる場合じゃないでしょ」
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