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《独占告白》吉田亜沙美は、あの場所に戻りたかった「医師からは『おそらく悪性です』と」「もう一度みんなとバスケがしたかった」

キャリアを揺るがす怪我、引退、復帰、病――。何度も立ち止まる理由がありながらも、彼女は心を折らずに前を向き続けてきた。不屈の司令塔を支えたバスケへの情熱とは。(原題:[試練を乗り越えて]吉田亜沙美「もう一度みんなとバスケがしたかった」)

「私にとってこの先は未知のチャレンジだと思っています。きっと以前のようには動けなくなっていると思いますが、覚悟を決めて決断したからには、その現実もしっかりと受け止めた上で挑戦していきたい。自分が今できるプレーというものを探しながら、新しい自分を作りあげていければと考えているんです」

 2023年の春、トップ選手としては極めて異例となる2度目の現役復帰を果たした女子バスケットボール界のレジェンドがそう笑顔で語っていた。リオデジャネイロ五輪で主将を務めた吉田亜沙美、当時35歳。約3年ぶりにコートに立つことに多少の不安を抱いてはいたが、それ以上にワクワクするような高揚感を抱いていた。

 4シーズンぶりとなったプレー。シーズン序盤、吉田は「過去にできていたプレーもできないし、体力的にもきついですね」と苦笑いしながらも、それが「新鮮で楽しい」とその表情には充実している様子が窺えた。さらに'24年1月にはパリ五輪出場を見据える日本代表にも選出され、最終予選にも出場。頼もしい司令塔が、国際舞台にも戻ってきた。

「またあのユニフォームが着られるなんて想像もしていませんでした」

 約4年ぶりの日本代表でのプレーはかつてないほど「緊張した」という。それでも世界の厳しさを知る百戦錬磨のベテランはスタッツには表れない部分での貢献が光った。チームは本大会出場。若い選手たちの精神的な支柱になっていた。

 しかし復帰の喜びも束の間、前例なき挑戦を続ける彼女に、青天の霹靂ともいえる試練が襲いかかった。

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photograph by Manami Takahashi

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