#1108
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【権藤博の視点】「勝負はやるか、やられるか」後手に回ったホークス甲斐拓也の“追っかけリード”とは?《日本シリーズ第6戦の詳細解説》

2024/11/10
26年ぶりの日本一で、三浦監督が5度横浜の宙を舞った
王手をかけて横浜に戻ってきたDeNAは2回、筒香の先制ソロ、桑原の2点適時打で優位に立つ。4回に柳田の2ランで詰め寄られるも、5回に打者一巡の猛攻で試合を決めた。ベイスターズは1998年以来26年ぶりの日本一。三浦監督が5度宙を舞った(原題:第6戦 DeNA 11-2 ソフトバンク)

 両チームの命運を分けたのは、追いつめられた時の「攻め方」の差だった。日本一に王手をかけられたソフトバンクは先発の有原が本来の状態ではなかった。立ち上がりからインコースに投げる球が引っかかってボールになり、投げる球がフォークなど変化球しかなくなっていった。「負けたらいかん」という気負いもあっただろう。甲斐のリードが変化球に偏っていったのだ。

 その綻びは早くも2回に出た。先頭の筒香に打たれたバックスクリーン右への先制ホームランはチェンジアップだった。1死後に連打された戸柱にはカットボール、森敬斗にはカーブをとらえられた。変化球が逃げとは言わないが、直球系でインコースを突けない配球になってしまっていた。

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photograph by Naoya Sanuki

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