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【独占インタビュー】フィリップ・ブランが期待する日本代表の“新しい歴史”「石川祐希の最大の功績は…」《高橋藍に「強く、強く勧めました」…何を?》

2024/10/15
パリ五輪で日本代表から離れたブラン監督
2017年に来日して以来、日本の男子バレーを世界ランキング2位まで引き上げた名将の目には、石川祐希、高橋藍という存在がどう映っていたのか。その才能をどのように生かし、高みへと導いてきたのか。パリ五輪での退任後、新天地として渡った韓国から、愛弟子ふたりに感謝とエールの言葉を送る。(原題:[恩師からのメッセージ]フィリップ・ブラン「ふたりはまだまだ成長できる」)

――監督、お久しぶりです。すでに韓国で仕事を始められているのですね。

「オリンピックが終わってから5日だけ休み、今度はソウルにやってきました」

――ほとんど休んでないじゃないですか。

「やらなければならないことが山積みです。組織をオーガナイズし、問題点を指摘し、改善しなければなりません。しかも、新しいシーズンは目の前に迫っていましたからね」

――ところで、韓国の食事はいかがですか。

「とにかく辛い! 辛すぎます。でも、焼き肉は美味しいですよ」

祐希は技術面も、リーダーシップの面でも大きく成長した。

――さて、パリでの夏の経験を話していただかなければなりません。準々決勝のイタリア戦、なんとも悔やまれます。

「とても悲しい体験になりました。私はひとつの大会が終わると、すべての試合を見直し、長所と短所を洗い出すのです。今回、私は初めて日本の試合を振り返る作業をしなかった」

――それは、なぜですか。

「韓国リーグの試合を見なければならなかったという事情はあるにせよ、どうしたことか、そういう気持ちになれなかったのです。ただし、イタリアと互角の試合を展開できたことは誇るべきことですし、準々決勝ではありましたが、オリンピックのバレーボール競技のなかでも、ベストマッチのひとつだったと感じています。ただし……」

――なんです?

「私のコーチングキャリアで、総得点で上回っているのに敗れた試合は初めてだったのですよ」

――なんという……。それでも、選手たちは最高の働きを見せたと思います。特に石川祐希はオールアウトしたんじゃないでしょうか。彼はあなたが指導者になってからの7年間で、驚異的な成長を見せました。

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photograph by Ryosuke Menju / JMPA

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