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《競馬界の七不思議》名匠・国枝栄がシックスペンスと挑む“悲願”のダービー制覇「人間万事塞翁が競馬だから」<アーモンドアイとの後悔とは?>
1990年の開業以来、国内外で挙げたGI勝利数は20以上。アパパネ、アーモンドアイという2頭の三冠牝馬を世に送り出したほか、2022年には史上15人目となるJRA通算1000勝を達成した。再来年に定年を控えた国枝栄調教師が、意外にもいまだ達成していないのが牡馬クラシックのGI制覇。一部では競馬界の七不思議とも囁かれるレコードに終止符を打つべく、今年は3戦3勝のシックスペンスで日本ダービーに挑戦する。
牡馬クラシック――とりわけダービー制覇は国枝師にとっても悲願だ。その原点は1971年のヒカルイマイだった。
「当時は高校1年生で、まだ競馬と出会って間もない頃。2月のきさらぎ賞を勝ったのを見てひと目ぼれしちゃってね。それから色々と情報を集めて、小さな牧場の生まれで、血統もサラブレッドではない、いわゆる“サラ系”であることや、アバラが1本陥没していて安く買われたなんて話を知り、ますます肩入れしちゃって。そんな背景がありながらも皐月賞を勝って、ダービーでも後方一気のすごい脚で差し切り勝ち。当時23歳だった田島良保さんの騎乗ぶりも格好良かった」
国枝師が調教助手として美浦・山崎彰義厩舎で働き始めたのは'78年から。調教師への道や、ダービーを始めとする大レースを意識するようになったのは藤沢和雄・元調教師との出会いがきっかけだった。
「人づてに紹介してもらったんだけど当時、野平祐二厩舎で助手をしていてさ。そのうちにシンボリルドルフっていうすごい馬を担当するようになった。英国の厩舎で働いていた経験もあって、フジさん(藤沢和雄)には本当に色んな話を聞かせてもらいました。そしていつしか自分も、そんな馬を手がけてみたいと思うようになりましたね」
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