連覇阻止のため阪神へのマークを強める各球団。中でもリベンジに燃えているのが昨シーズン、一時首位を奪うも逆転を許したDeNAだ。元“虎キラー”の指揮官が戦略を語る。
父親が後援会に入っていた関係で小学校低学年の時、プロになったばかりの「岡田彰布選手」からサインをもらったことがある。不思議な縁。約40年が経ち、監督として向き合うと底知れぬ不気味さを感じた。
「“想定内”って言うんですかね」
横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督は、畏敬の念を込めてそうつぶやいた。
昨季、他球団が大きく負け越している中、阪神タイガースに12勝13敗と最も善戦したのがDeNAだった。しかし、一昨年は16勝9敗と大きく勝ち越している相手である。出場メンバーがあまり変わらない状況で、岡田監督が就任したことによる変化は明らかだった。
“想定内”とは一体何なのか――。
開幕カードの阪神戦(京セラドーム大阪)では3連敗を喫したDeNAだったが、その後盛り返し、3、4月を16勝7敗で首位通過する。以降、阪神に巻き返され6.5ゲーム差をつけられるが、交流戦で波に乗って初優勝を遂げると、6月23日からの阪神戦(横浜スタジアム)で3連勝して首位を奪還した。だが、DeNAの奮闘はここまでだった。
「7月にうちが大きく負け越して(8勝13敗1分)、浮上のきっかけを掴めない中、阪神は確実に勝ちを重ねていき、秋の大型連勝に繋げていきました。1年間トータルのマネジメントというか、選手のモチベーションも含め、その積み重ねが最後の加速になったと思いますね。向こうに勢いはありましたが、それよりも、うちは狂った歯車を戻すことができませんでした」
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photograph by Kiichi Matsumoto