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「最強のバッターになれるはず」ベイスターズ“ドラ1”度会隆輝、高卒指名漏れからの3年で磨いたもの「神奈川愛、めっちゃあります」

2024/01/31
ドラフト1位で3球団競合の結果、ベースターズに入団した度会隆輝

 天真爛漫、とにかく明るい度会。

 ベイスターズのドラフト1位、度会隆輝は元気でポジティブなキャラクターが際立っている。

「僕、明るいとよく言われるんですが、悪い言い方をすれば馬鹿なんです(笑)。でもね、度会隆輝という人間の人生は一度きりです。悩んだり、落ち込んだりする時間なんてもったいないじゃないですか。だったら楽しい、嬉しい1分1秒にしたほうがいい。もちろん悔しい思いをすることはありますけど、自分ではすぐに切り替えられていると思っています。どんなときでもくよくよしている時間なんてありません。自分を鼓舞して、プラス思考で、マインドセットは“常に明るく楽しく”です」

 切り替えたのは横浜高校3年生のとき。度会はプロ志望届を提出しながら、指名漏れの屈辱を味わった。その悔しさを乗り越えて社会人のENEOSに進む。高校生の野手は社会人より大学を選ぶケースが多い。レベルの高い社会人で高卒の野手が試合に出る機会を得るのには時間がかかるからだ。しかし度会はドラフト対象となる最短の3年で、しかもドラフト1位でプロ3球団から入札されるほどの成長を遂げた。

3年間で走攻守、すべてでレベルアップできた。

「高校のときのことを思えば余計に3年かかりましたけど、今思えば遠いようで近い道のりだったのかなと思います。一番の思いは1年でも早くプロへ行きたかったということ。大学では4年かかってしまいますが社会人なら3年で行ける。しかもENEOSという社会人トップのチームで、大久保(秀昭)監督は僕のことをドラフト1位でプロへ行ける選手になれると信じて指導してくれました。この3年、打つことにおいてはパワーもついたし、コンタクト率も上がった。内野だけでなく外野もできるようになりましたし、肩の強さ、スピード……走攻守のすべてでレベルアップできたと思います」

 社会人1年目からレギュラーとなった度会は初めての都市対抗でホームランを放つと、2年目の都市対抗ではホームラン4本、打率.429で打撃賞を獲得。ENEOSを9年ぶりの優勝に導き、野手として史上初の橋戸賞(最優秀選手賞)と若獅子賞(新人賞)のダブル受賞を成し遂げた。この頃、度会は自分の中のある変化に気づいたのだという。

「僕にとってプロ野球選手は夢でした。だから誰に訊かれても『プロ野球選手になるのが夢です』と答えていたんですが、2年目の都市対抗が終わったあたりから『目標はプロ野球選手です』って、目指すところが夢から目標に変わっていたんですよ。都市対抗で結果を出せたことで自信がついたのかな。遠いイメージの夢ではなく、目標という言葉が自然と口をついて出るようになったことがプロ野球選手を近づけてくれたような気がします」

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photograph by JIJI PRESS

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