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「無敵の存在」メドベデワが恐れていたもの、「平昌五輪金メダル」ザギトワが抱えていたもの…2人の女王の“葛藤”を描く

2018.02.23 PyeongChang Winter Olympics
(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2017-2018「二人の女王の葛藤と未来」 アリーナ・ザギトワ エフゲニア・メドベデワ)

 今からわずか1年前、エフゲニア・メドベデワと平昌オリンピック金メダルの間に立ちはだかるものは、何もないように思われた。

 安定したジャンプと表現力を兼ね備えた世界女王は、オリンピックシーズンの前年、GPファイナル、欧州選手権、世界選手権と全てのタイトルを守り、無敵の存在だった。

 そのメドベデワの前途に突然翳りが見え出したのは、昨年11月のことである。NHK杯で優勝はしたものの、フリーでは彼女らしからぬジャンプミスが出て、その後右足に疲労骨折の診断を受けたことが発表された。

 メドベデワ欠場のGPファイナルで、初優勝をきめたのは15歳のアリーナ・ザギトワだった。昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンで、シニアは今シーズンが初挑戦である。

2018.02.23 PyeongChang Winter Olympics ©Kaoru Watanabe/JMPA
2018.02.23 PyeongChang Winter Olympics ©Kaoru Watanabe/JMPA

 ザギトワはメドベデワと同じくエテリ・トゥトベリーゼコーチの生徒で、3歳年下の後輩になる。メドベデワのことを、「彼女の練習の仕方を見ていると、とても勉強になります」とお手本にしていることを明かした。

 メドベデワは'18年1月、欧州選手権で試合復帰したもののまだ本調子ではなく、ザギトワに敗れて2位に終わった。

「私にとっての勝利は、今ここに立っていられること。銀は銀でその価値を変えることはできない。でも2カ月ぶりの試合だったことを思うと、悪くない結果だと思う」とメドベデワは会見で感想を述べた。

「間違った女子が金メダルを取ってしまった」。

 だがこの前哨戦で遅れをとったことも、影響したのだろうか。平昌オリンピックで金メダルを手にしたのは、15歳のザギトワだった。

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photograph by Sunao Noto/JMPA

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