#1066

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「将棋はやるものだからやるという感覚」本田奎六段、ワンダーボーイの苦悩《令和名棋士案内》

2024/02/07
初出:「Sports Graphic Number」1066号(2023年1月12日発売)

 これほどの衝撃を新人棋士から受けたことはかつてなかった。

 2019年、デビューからわずか1年ほどの新人だった本田奎(25)は、得意戦法の相掛かりを武器に上位棋士をなで斬りにして、棋王戦の挑戦権を獲得した。

 棋戦初参加でのタイトル挑戦は史上初の快挙で、また四段昇段後1年2カ月でのタイトル挑戦権獲得は屋敷伸之に次ぐ歴代2位の記録だった。五番勝負こそ渡辺明棋王に意地を見せられ1勝3敗で敗退したが、超新星の誕生に棋界は沸いた。

 それから3年が過ぎた。

「当時の勢いはすごかったですよね(笑)。番勝負ではさすがに奇跡は起こらなかったけど、全体的に不思議な力が働いていた気がします。棋力は今のほうが上なのに、タイトル戦出場どころか予選を突破するのも大変なので」

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photograph by Okawa Shintaro
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