13勝18敗――。
千田翔太七段(29)の'22年度の成績である。'13年のデビューから1年強でいきなり王位戦挑戦者決定戦に進出し、'16年度には棋王戦五番勝負で渡辺明棋王(当時)を相手にフルセットの激闘を演じた千田が勝率4割強とは、何があったのか。
「最近は将棋界での身の振り方に悩んでいて、モチベーションが低下していた」と明かす。千田といえばいち早く将棋ソフトを導入し、「棋力向上」に取り組んできた棋士だ。まずは棋力を上げるのが最優先で、結果は後からついてくるというスタンスをプロ入り当初から体現していたのは珍しい。千田の推奨するソフト導入に懐疑的だった一部の棋士も、高勝率でタイトル戦に出場した千田の姿勢には説得力があると認めざるをえなかった。
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photograph by Kanta Yokoyama(Illustariton)